静岡･山梨両県の県境にそびえる、日本を代表する成層火山です。標高は３７７６メートルで、日本の最高峰です。富士という山名はアイヌ語で火を意味する〈フチ〉に由来するといわれています。この山は南東麓に愛鷹（あしたか）山がある以外は円錐形の整った山体と長い裾野をもち、その高さと秀麗さとは万葉の時代から賛美され、多くの詩歌に詠まれてきました。富士の名は広く海外にも知られており、日本あるいは日本的な美の象徴となり、特別名勝に指定され、富士箱根伊豆国立公園の中心をなしています。 ２０１３年（平成２５年）には富士山域をはじめ周辺の神社、富士五湖、忍野八海(おしのはっかい)や三保松原(みほのまつばら)等を含めた２５の構成資産が、ユネスコ（国連教育科学文化機関）により「富士山─信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産の文化遺産に登録されました。