1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。
「魚の定義」というジョークがある。《魚とは、逃げた時から成長が速まる生物である》。手元に寄せて逃した一匹ほど、大きいものはない。悔しさが想像を膨らませ、人に話すたびに両手の間隔が広がっていく。
米アラスカ沖のベーリング海で3月、メバルの仲間のヒレグロメヌケ(メス)が捕れた。体長1メートル強、重さ27キロの巨体。朱を帯び、でっぷり丸い腹も見事だが、年齢がすごかった。推定100歳である。
魚の年齢は、頭の骨にある耳石(じせき)か、ウロコのしま模様で勘定する。木の年輪と同じ理屈だ。メヌケの長寿は米海洋大気局(NOAA)が耳石から割り出した。この海域は水温が低く、底にいる魚の成長は特に遅い。大きな個体は、それだけの歳月を生き抜いた証しだ。
食卓に縁の深いアジやサバは5年、タイなら20年ほど生きるという。ただし、ほとんどの魚は小さいうちに他の生き物に食べられてしまう。魔の手は、水の上からも伸びてくる。
魚と人の関係を思うとき、金子みすゞの代表作「大漁」に行き当たる。〈朝焼小焼(あさやけこやけ)だ/大漁だ/大羽鰮(おおばいわし)の/大漁だ。/浜は祭りの/やうだけど/海のなかでは/何万の/鰮のとむらひ/するだらう。〉。底引き網にかからなければ、あのメヌケはどれほど生きたのか。弔いは盛大だったことだろう。
魚は大切な栄養源だ。漁業や釣りは彼らの平均寿命を少し縮めているはずだが、縮めた分は我々に上乗せされている気もする。ならば魚も本望か。年齢不詳の丸干しをかじりながら、身勝手な仮説を転がしてみた。
2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。
身勝手
弔い
たび
3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。
4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。
5.講師と動物の年齢について話し合いましょう。