言葉の重さ

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。

ある落語家が刑務所へ慰問に出かけた。受刑者を前に、第一声は「エー、満場の悪人諸君!」。永六輔さんの「芸人 その世界」(岩波書店)に収められている一(ひと)コマだ。

笑う人もいれば、「言われる身になれ」と苦る人もいるだろう。人権感覚を疑問視する向きも、あるに違いない。だが、こういう場合はえてして、背景やいきさつを知らずに判断すると、的を外すことが多いようだ。

たとえば落語家が過去にもその刑務所を訪ね、交流を重ねていたとしよう。それなら荒っぽい毒舌も、親しみをもって感じられるかもしれない。互いの間柄いかんで、言葉は丸くもなれば、とがりもする。

「地獄へ直行」と書いた紙を廊下に張って、遅刻者の指導をした中学教諭がいた。「イエローカード」「校長面談」などとも書いた紙に、遅刻の回数に応じて生徒の名を付箋(ふせん)でつけていた。配慮を欠いた指導と問題視され、校長が謝罪する騒ぎになったが、川崎市教委は先ごろ処分を見送った。「生徒との信頼関係の中での指導だった」と判断したそうだ。

問題が表面化すると、生徒らから市教委に、「先生を責めないで」といったメールが寄せられたという。少々荒っぽい指導でも受け入れる信頼感が、クラスにあったということだろう。

教師の言動がいじめに結びつくこともあるから、判断はなかなか繊細だ。しかし先生たちの持っている“人間力”も封じ込んでしまう杓子(しゃくし)定規は、学校の魅力まで一緒にそいでいくように思える。角を矯(た)めて牛を殺す。そんな故事もある。

 

2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。

とがり

繊細

外す

3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。

 

4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。

 

5.講師と言葉の重さについて話し合いましょう。

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