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汽車の旅には……

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。  「乗り鉄」「撮り鉄」と、鉄道ファンにも色々ある。本紙週末「be」に「帰ってきた食べテツの女」を連載中の荷宮(にみや)和子さんが、以前「呑(の)み鉄」のことを書いていた。むろん酒好きの鉄道好きである ▼飲み鉄という書き方もあろうが、こういう場合は丸呑みのニュアンスがある呑(どん)を使いたくなる。よく知られた日本の呑み鉄といえば、作家の内田百けん(ひゃっけん)と吉田健一だろう。ご両所とも汽車旅が好きだった ▼百けんの名編「特別阿房(あほう)列車」は特急で大阪に向かう話。午後零時半、東京駅発。先生は車室で何も食べない。後でお酒をおいしく頂くためだ。5時半に名古屋を出たら食堂車に行き、終点の手前まで呑み続ける算段だったのだが…… ▼吉田の「旅と食べもの」の場合は朝の特急だ。食堂車に直行し、ビールとハムエッグ。一度席に戻り、途中の駅で買った生ビールを呑む。昼時に再び食堂車へ。大阪までのほとんどの時間をここで過ごすつもりなのだ。「汽車の旅行はこれに限る」 ▼こうした豪傑たちのまねはできない。そもそも多くの列車から食堂車が消えて久しい。今の流行は豪華寝台列車か。JR九州の「ななつ星」に続き、JR東日本と西日本が運行準備中。食べても呑んでも満たされるだろうが、先立つものとクジ運に乏しい身には高嶺(たかね)の花だ ▼地元の食材の料理を出すグルメ列車も最近増えた。こちらには手頃なのもある。吉田の言葉を一つ。旅先で腹を満たし、「生きていることが有難(ありがた)くならなければどうかしている」。 2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。 高嶺の花 乏しい 算段 呑み鉄 3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。   4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。   5.講師と車旅行について話し合いましょう。

旅行の安全

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。 当たり前のことに、言われて気づくことがある。〈次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く〉。歌人奥村晃作さん(79)の幾つかの歌は、乗り物や交通を詠んで印象深い。こんな一首もある。〈運転手一人の判断でバスはいま追越車線に入りて行くなり〉 ▼長野県飯田市生まれの奥村さんは、東京からいつも中央自動ログイン前の続き車道の長距離バスで帰省した。バスはぐんぐんスピードを上げて追い越していく。あるとき、運転手に一切を任せているという当たり前のことに気づいて詠んだと、ご本人からお聞きした ▼そんな、ふとした不安が、軽井沢の惨事では現実になった。スキーツアーの若者ら乗客は、まどろみの中で運転手にすべてを預けていたであろう。東京を深夜に発ち、翌朝には白銀のゲレンデを滑る予定だった ▼旅行業者は価格を競う。うたい文句が割安から格安、さらには激安へと派手さを増して久しい。その陰で、譲れぬはずの安全が脇へ押しやられてはいなかったか。ひしゃげて無残な車体はもう、目的地に着くことはない ▼4年前、群馬の関越道で7人が亡くなったバス事故は記憶に新しい。31年前には長野で、スキーバスがダムに転落して大学生ら25人が死亡している。つらい教訓は、有効に生かされてきたのだろうか▼今回の原因はまだわからないが、いきなり前途を絶たれた人と遺族の無念に胸が詰まる。最高のサービスは道中無事に送り届けることに尽きるはず。不安と道連れの旅に、格安も激安もない。 2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。 競う うたい文句 脇へ押し 胸が詰まる 3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。   4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。   5.講師と旅行の安全について話し合いましょう。

青春うたう百人一首

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。  若さは特権だ。あらゆるものを貪欲(どんよく)に吸収する。千葉の中3大石桃子さんは詠む。〈本読めば時間がどんどんすぎていく不思議な力が私を連れさる〉。青春の表現はみずみずしい。秋田の高2佐藤瑞穂さんは〈通学路寝ぐせが揺れるそよ風にノンフィクションの「今日」が始まる〉 ▼「現代学生百人一首」が、今年も東洋大学から届いた。29回目の今回は約5万7千首が寄せられたという。若者たちの関心の幅広さが入選作からうかがえる ▼〈戦争をしてはいけないと訴える語り部さんの顔は必死だ〉中1倉林祥子(しょうこ)。戦後70年の節目は学びの機会でもあっただろう。〈教科書をあと何ページめくったら本当の平和はおとずれるのか〉高2渋谷拓(たく) ▼選挙権年齢が18歳に引き下げられることには不安も。〈来年は与えられてる選挙権進路選択も出来ぬ私に〉高2大室花香(はなか)。より若い世代にも自覚が芽生える。〈公民で勉強している選挙権三年後には人ごとじゃない〉中3清水知徳(とものり) ▼福島から力強い声が届いた。〈震災時分けが分からず泣いていた今は違うぞ役に立つ時〉高1矢吹由伸。神戸の声も呼応した。〈「またきてね」言ってもらったあのコトバ神戸と東北絶えない絆〉高2橘優佳 ▼恋のときめきだろうか。〈黒板にうっすら残る日直欄あなたが書いた私の名前〉高2宮崎偲永(しえ)。優しい気持ちが湧いてくる。〈冬が好き雪の匂いもオリオン座も「寒い」と言って繋(つな)がれる手も〉高1小宮山芙(ふみ)。二度と戻らない季節をしっかり抱きしめて。 2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。 呼応 出来ぬ ノンフィクション あらゆる 3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。   4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。   5.講師と日本詩について話し合いましょう。

父親が働く工場

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。  ひとりの子どもの話です。  仕事で疲れ切って、家ではごろごろしてテレビばかりを見ている父親はあまり存在感がない、まるで透明人間みたいだ、という子の文章がありました。   これではいけない。子どもたちに、父親が働いている姿を見せたらどうか。そういう意見もあって、ある母親は子どもを連れて、父親が働く工場へ行くのです。  その子が参観の記を書きました。  「友だちのおとうさんが、どこかの課長さんだとか、放送局に勤めているとかいうとき、私はいつも黙っていました。『わたしのおとうさんはエ場のコックさんだ」というのが、なんだかはずかしくてならなかったのです。でも、わたしは、今日からそれが平気で言えるような気がします」  その子は初めて、白いコック帽をかぶった父親の働いている姿を見ます。野菜サラダを作っている。ぴっくゆするほど早いい手つきでてきぱきと仕事をすすめている。  「今まで、あんなお父さんを見たことがありませんでした。何か(4)よその人のような気がするくらいでした。でも、やっぱりわたしのお父さんでした。お父さんは、はずかしそうな顔などちっともしていません。わたしだけが、なんではずかしがっていたのかと思うと、なんかわるいことをしていたような気がしました」 2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。 平気 はずかしそう ぴっくゆ 3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。 4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。 5.講師と親について話し合いましょう。

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