郷土料理(きょうどりょうり)とは、その地域の特産物を使い、独自の方法で調理された料理のことである。その地域で昔から作られ、歴史や文化とともに受け継がれてきたもので、土地の風土に合った伝統的な食事として食べられてきた。寿司などの日本全国で食べられているものは郷土料理には含まれない。また、最近よく耳にする地域おこしのための「ご当地グルメ」やその地域で有名な土産として販売されている菓子などとも異なるものである。
近年の消費者の安心・安全への関心の高まりから、「地産地消」の考えを基にする郷土料理の価値もまた、見直され始めている。地産地消とは、地元で生産されたものを地元で消費しようという運動であり、生産者と消費者を結びつける取り組みである。産地と消費者の距離が縮まることで、生産物が消費者に届くまでの輸送コストの削減や、輸送時に発生する排出ガスによる環境汚染の軽減、鮮度の良い商品を購入できるなどの利点がある。
小学校や中学校の学校給食の献立にも郷土料理が取りいれられていて、祖父母と離れ、核家族のなかで育つことの多い現在の子供たちに、伝統的な食文化や地産地消の考え方を学べる機会を与えることを目的としている。