さよなら築地市場

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。

「また、あちらでね」「あっちでも、よろしく」。きのうの朝、東京の築地市場を歩くと、そんな言葉が耳に入ってきた。市場が移転する先の豊洲でもお付き合いを。お得意さん同士、声をかけあっているのだろう▼そこにある物の豊富さ、多様性、並べ方の美しさ……。「世界の博物館のすべてに匹敵する」と築地を評したのは文化人類学者のレヴィ=ストロースである。あまたの魚介を見るだけで楽しいと多くの人に足を運ばせた市場も、きょう、あすのセリを残すだけになった
▼築地にある小社は、いわばお隣さんだ。原稿につまって窓を眺めると、いつも目に入るのが築地市場である。それがもうすぐ「であった」になる。まあ、うまい魚を食わせる「場外市場」がなくなるわけではないし、と思い直す▼築地市場に隣接する場外市場は商店街から始まり、今や外国からの観光客でにぎわう飲食店街だ。「築地が移っても場外は残ります」との宣伝を最初に聞いた時には意外な気がしたが、考えてみればまちとは、そんなふうに続いていくのだろう
▼本屋や出版社の集まる東京・神田にはもともと、東京大学や一橋大学などの前身があった。学生が集まれば書籍の需要があり、学校が去った後も本のまちであり続けた。築地も魚のまちとして、さらに発展するかもしれぬ▼安全をめぐる議論が続き、遅れに遅れた移転である。築地市場の通称である「魚河岸」は豊洲に引き継がれるのだろう。食を支えるプロたちの活気とともに。

2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。
遅れに遅れた
引き継がれる
匹敵
3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。

4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。

5.講師と社会発展とともに消えてゆく物について話し合いましょう。

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