食い違う証言

1.まずは講師と一緒に文を読んで発音の練習していてください。読んだ後は講師から発音のアドバイスをもらいましょう。

賊に襲われて夫が死に、妻が行方をくらます事件が起きた。しかし当事者たちの証言が食い違い、誰が本当の下手人かも分からない。そんな芥川龍之介の短編『藪(やぶ)の中』を思い出す。原発事故をめぐり東京電力の旧経営陣の責任を問う裁判が続いている

▼福島の原発近くで最大15・7メートルの津波が起きる可能性がある。そんな指摘が、東日本大震災の3年ほど前に東電内でなされた。しかし防潮堤建設などの対策は取られなかった。なぜか。社員らは、武藤栄・元副社長が先送りを指示したためだと証言した

▼対策を進めると思っていただけに「力が抜けた」と話す社員もいた。そんな元部下の証言に武藤氏は反論した。「(15・7メートルの)根拠があいまいだった。先送りと言われるのは心外だ」「分からないことが多すぎて情報を集める必要があった」▼問題の先送りか、慎重な検討か。真相は藪の中と言いたくなるが、これだけははっきりしている。組織として大津波の可能性が重く受け止められることはなかった。指摘された通り、15メートルの津波が原発を襲った

▼武藤氏らが危険を認識しながら対策を怠ったとすれば、過失は重大である。責任を経営陣に求めるのが無理だとなれば、それほどコントロールの難しい設備だということになる。地震の多発するこの国で、今後も原発を動かし続けることができるのか。そもそもの疑問にどうしても行き着く▼深い藪をかき分けて、見えなかったものを見せる。そんな任務を帯びた裁判である。

 

 

2.講師に次の表現について説明してもらいましょう。

かき分け

コントロール

3.先学んだ文法と単語を用いて、文を作りましょう。

 

4.講師から発音のアドバイスを注意しながら、もう一回文を読みましょう。

 

5.講師と食い違う証言について話し合いましょう。

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